マレーシア首相「ミャンマーのイスラム教徒難民、受け入れ限界」
マレーシアのムヒディン首相は6月26日、東南アジア諸国連合(ASEAN)指導者との電話会議において「ミャンマーのイスラム教徒難民をこれ以上受け入れることはできない」と述べた。新型コロナウイルスによる経済への影響をその理由として上げた。
2017年にミャンマー軍によるイスラム教徒への掃討作戦が実施された後、多くのイスラム教徒が国を逃れ、バングラデシュやマレーシアが主な避難先となってきた。
マレーシアは、こうしたイスラム教徒の受け入れはしつつも難民認定はしていない。最近では新型コロナウイルス感染防止の観点から難民を乗せた船を拒否することもあった。
背景には、新型コロナウイルスが国外から持ち込まれ、それに潤沢ではない国家資金が使われることへの国民の怒りがある。
ムヒディン首相は「マレーシアはコロナ対策で手一杯である。資金面でも限界だ。それなのに、さらなる難民受け入れを期待されている」と述べた。
イスラム教国のマレーシアとインドネシアは、イスラム教徒難民らが密入国業者の船で逃れてくると、ミャンマーを批判している。一方、ミャンマーはこれに対し、国内でいかなる人権侵害は行われていないが、そもそもこうしたイスラム教徒はミャンマーの国民ではなく、南アジアからの不法移民であるとの主張をしている。
波が穏やかな11月から4月にかけて、ミャンマーのイスラム教徒が海を渡ってマレーシアやタイ、インドネシアに逃れる行為はここ何年も繰り返されており、ムヒディン首相は国連に対し、早期解決へ導くよう要請している。
(2020年6月26日付けReuter記事より要約)
イスラム教徒難民キャンプ:コロナに不安を持つ子どもたち
子どもの支援を専門とする国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは6月26日、バングラデシュの難民キャンプに暮らすミャンマーのイスラム教徒の子ども達が新型コロナウイルスをどのように認識しているかを調査した内容を発表した。
コックスバザールの難民キャンプでは、およそ100万人ものイスラム教徒が暮らしており、同NGOは223人の子どもにインタビューを行った。
セーブ・ザ・チルドレンの調査によると、ここで暮らす難民の子どもたちは、全員が新型コロナウイルスについて認識しており、3分の2は感染を心配している。
また、約40%は自分自身もしくは家族がこのウイルスによって亡くなる可能性に不安を抱いており、約半数はキャンプ内の遊んだり勉強できるエリアが閉鎖されたことを辛く思っている。
同NGOの幹部、オノ・ファン・マネン氏は「ここの子どもたちは2017年にミャンマーから逃げ出す際、すでに大きな心の傷を負っている。3年も難民キャンプに留められたままで、またも大切な家族を失ってしまうのではないかという不安にさいなまれている」
セーブ・ザ・チルドレンは、期日は明らかしていないが、難民を対象とした隔離施設(病床数:60床)を開設する予定だとも発表した。
ファン・マネン氏によると、この隔離施設では専門家を含む80名程度の医療スタッフを常駐させ、重症者も受け入れる予定だという。
(2020年6月25日付けRadio Free Asia記事より要約)
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