2021年10月20日水曜日

2021年10月20日【今日のミャンマーニュース】国軍、スーチー担当弁護士に公判情報の公開を禁じる

国軍、スーチー担当弁護士に公判情報の公開を禁じる


アウンサンスーチー氏やウィンミン氏など、国軍に拘束された民主政府の幹部らを担当するキンマウンゾー弁護士は1013日、本人のFacebookで、メディア、在外公館、海外政府などに公判情報を提供することを禁じられたとする内容を投稿した。

キンマウンゾー氏の行動は、刑事手続きの妨害となり、世情不安を招くため、刑事訴訟法第144条に違反すると判断された。当該措置は「当面(当局から通知があるまで)」継続される。

キンマウンゾー氏は前日の12日、国軍が2月に全権掌握した当日に大統領職にあったウィンミン氏に、体調不良という理由をつけて退陣するよう強要したことを明らかにしていた。

同氏によると、ウィンミン氏は退陣を拒否し、脅迫されたが、意志は揺るがなかった。

弁護士のキーミン氏(Kyee Myint)は「近年(1973年)制定されたメディア法Speech Actは、100年以上前の刑事訴訟法第144条の内容を上書きしている。キンマウンゾー氏に対するかん口令は違法だ」と国軍の措置に抗議した。

国民民主連盟(NLD)のチョーティハ氏(Kyaw Thiha)は「国軍は情報管理を強めて政権を維持しているが、悪法によって国を支配していることを世界に公言しているようなもの」と批判した。

アウンサンスーチー氏は自身の弁護士チームに公判をメディアに公開するよう指示していたが、キンマウンゾー氏以前にも同様の制限を受けた弁護士は複数いる。

20211015日付けRadio Free Asia記事より要約)

国軍・警察の離反者増加

民主派で構成する「国民統一政府(NUG)」のドゥワラシラー大統領が97日、国軍に対して自衛のための戦闘開始宣言して以来、国軍兵士や警察隊員の間に大きな離反の動きが見られる様子だ。

NUG
国防省は、97日から107日のひと月の間に兵士429人、警察官334人から離反の相談を受けたと明らかにした。

兵士や警官を辞め、「不服従運動」に参加した人々で作られるグループ「People's Embrace」が治安当局者の離反について仲介役となっている。

実際に離反した人数については明らかにされていないが、ドゥワラシラー大統領が治安当局の構成員らに離反して民主派に所属するよう呼び掛けたことや、民主派の「国民防衛隊」との決死の攻防により、現在は民主派側で活動する元国軍幹部は「今後、大規模な離反がある」と述べた。

20211015日付けIrrawaddy記事より要約)

2021年10月18日月曜日

2021年10月18日【今日のミャンマーニュース】ミャンマーのLNG発電所が操業停止へ(他1記事)

ミャンマーのLNG発電所が操業停止へ

 

ヤンゴンの中国・香港系LNG(液化天然ガス)発電所が、資金繰り悪化を受け、7月から操業を停止していたことが明らかになった。ミャンマー国内の商業資本は今後多くの停電に悩まされることになりそうだ。

 

軍事政権の電力・エネルギー省によると、操業停止の要因は、世界市場における天然ガス価格の上昇、通貨“チャット”の米ドルに対する減価、国内の電力需要低下、軍事政権の支払い不能であるという。

 

ヤンゴン・タケタ郡区の香港系VPower Co.と中国国営CNTICの合弁会社が操業する発電所(容量400メガワット)は停止しており、ヤンゴン郊外のティラワ経済特区のVPower Co.が運営する発電所(容量350メガワット)は、備蓄燃料の急減を防ぐために50メガワットを発電しているのみである。

 

電力・エネルギー省の関係者によると、「主に財政的な問題である。LNGを米ドルで購入しなければならないが、国内通貨しか持ち合わせておらず、事業継続が不可能である。発電所の操業を停止せざるを得ない」という。

 

地方の電力会社はメディアの取材に対して、「LNGの価格が上がり、チャットが安くなっているので操業停止するほかない。軍事政権はLNGの輸入代金を払いたがらないから、このようになってしまった」と述べた。

 

香港資本の運営会社は、国内での政治的騒乱を受けて、複数の発電所の契約を延長することなく撤退する可能性が高く、このまま操業停止が続くと乾期の電力不足・停電が深刻化する恐れがある。

 

また、VPowerはラカイン州チャウピューとマンダレー管区ミンジャン(双方とも容量200メガワット)の電力プロジェクトから撤退したことを発表した。

 

20211013日付け Irrawaddy記事より要約)

 

インドの軍事会社 対空兵器をミャンマーへ輸出

 

軍事事業の監視を担う活動家団体のJustice for Myanmar(JFM)は、ニューヨークの国際貿易データ会社Panjivaの情報を用いて、インドの軍事会社Bharat Electronics Ltd.(BEL)が、7月に遠隔操作の対空兵器をミャンマーに対して輸出していたことを明らかにした。

 

兵器の運送は、ミャンマーのMega Hill General Trading社を通して行われた。

輸入された対空兵器の総額は60万米ドル(12億チャット)に上るとされ、それらの兵器は試験的に輸入されたようだ。今後さらに大規模な兵器輸入が実行される可能性がある。

 

インド政府は、6月に行われたミャンマーへの武器輸出を禁止する国連総会決議にて、投票を棄権していた。尚、インド政府はBEL51%以上の株式を保有しており、日本生命のインド支部とゴールドマンサックスはそれぞれ同社の25千万米ドル、23500万米ドル分の株式を保有している。

 2021108日付け Irrawaddy記事より要約)



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2021年10月6日水曜日

2021年10月6日【今日のミャンマーニュース】ミャンマー情勢不安:通貨急落(他1記事)

ミャンマー情勢不安:通貨急落


情勢不安からミャンマーの通貨「チャット」の急落が深刻だ。

国軍が全権を掌握した2月以前は1ドル=13001400チャット(約77円~83円)で推移していたのが、9月下旬には1ドル=25002700チャット(約148円~160円)に値下がりしている。

ガソリン価格は2倍強に上昇するなど、市民生活への影響も大きい。

国軍は930日、「ミャンマーにおける現在の経済状況は、新型コロナウイルスなどの外的要因による」とした上で、「輸入燃料の消費削減および電気自動車等の製造運用などにより、責任をもって事態打開を目指す」と発言した。

2021101日付けMizzima記事および2021930日付けIrrawaddy記事より要約)

国軍、武装勢力との停戦発表:国内反応は冷ややか

ミャンマー国軍は927日、国内全ての少数民族武装勢力と停戦すると発表した。

2022
212日に第75回連邦記念日を迎えることと新型コロナウイルス感染防止を理由に、停戦期間は101日から来年の2月末までとされる。

これは双方合意に基づいたものではなく、国軍側が一方的に宣言した形だ。

 

民主派で構成される国民防衛隊(PDF)は停戦対象に含まれず、民主派および武装勢力は、今回の停戦発表について、国軍がPDF根絶に集中するための欺瞞であるとする見方が強い。


1948
年のミャンマー独立以来、国軍と少数民族武装勢力の対立は続いており、これまでに停戦協定を結んだのはわずか10組織に留まる。

今年2月に国軍が全権掌握した後は、一部の少数民族武装勢力と民主派が手を組み、国軍に対して共闘する構図となっている。

2021928日付けRadio Free Asia記事より要約)