国際協力機構(JICA)有償資金援助に、疑問の声
ミャンマー建設省は、11月中旬、バゴー川にかかる橋梁建設のため、JICAから約320億4380万円を借款する提案書を国会に提出した。しかし、ミャンマーの国会議員の間では、外国からの借款に懸念を示す声も聞かれる。
テッテッカイン下院議員(国民民主連盟:NLD)は、外国からの借款はどうしても必要な時のみ受け入れるべきだと話す。これは、2016年度GDPうち債務が占める割合が、当初の予測3.91%から、4.97%に引き上げられたことを受けての発言である。
アウンラインウィン議員(NLD)もこれに同調し、「教育分野への投資ならば全国民に利益が及ぶが、基本的に商業プロジェクトである今回のような場合、国民全員が平等に利益を受けられない。政府が貧富の差を埋めようとするなら、低開発地域への投資を優先すべきだ。少数民族も、機会平等でないと考えるだろう」と述べだ。
今回、JICAによる有償資金援助で実施が提案されているのは「タンリン第3橋」の建設で、実現すれば、ヤンゴンやティラワ経済特区の渋滞緩和が期待できる。借款額は約320億4380万円、返済期間は40年間、利率は0.01%、返済には10年の初期猶予期間がある。これは、11月初めに安倍首相が提示した約8715億円の援助パッケージのひとつである。
ミャンマー国会議員は、提案された借款について、議案の賛否を問う前に議論を深める予定だ。
(Myanmar TimesよりJMSA抜粋・翻訳)
シャン州軍事衝突にみる政府と少数民族武装組織の溝
2016年8月末、政治的対話を通した政府と少数民族との和解と、国内和平実現を目的に、21世紀パンロン会議が開催されたが、その後も少数民族武装組織と国軍の衝突が続いている。
2016年11月20日、シャン州北部で、カチン独立軍(KIA)、パラウン族のタアン国家解放軍(TNLA)、コーカン族のミャンマー国家民主同盟軍(MNDAA)から成る共同軍が、国軍駐屯地や警察を攻撃し9人が死亡、多数の市民が紛争に巻き込まれて負傷した。
アウンサンスーチー国家顧問は、11月23日、国家和解平和センターで「ミャンマーが国家平和と和解に向けて動き出している時期に、このような出来事が起こり大変落胆している」との声明を出した。2回目の21世紀パンロン会議が2017年2月に予定されているなか、全ての少数民族武装組織が国家停戦協定に署名し、和平プロセスへ早期に参加するよう呼びかけた。
一方で、ビルマ北東部で軍事活動を起こした少数民族武装組織は、今回の攻撃は国軍による軍事的圧力に対する攻勢であり、和平交渉や政治的対話には関心を持っていると述べている。TNLAのマイアイジョー広報官は、「今回シャン州で軍事衝突を起こした少数民族武装組織は、一連の和平プロセスに招かれていない。もし政府による招聘があれば、対話に参加する用意ができている」と述べている。
(Mizzima、IrrawaddyよりJMSA抜粋・翻訳)
高齢化政策に着目
ミャンマー社会福祉・救済・再定住省は、11月21日、60歳以上の高齢者を対象にした政策草案策定のため、ヤンゴンで会合を開いた。
同省のサンサンエー福局長によると、現在ミャンマー国民の11人に1人が高齢者である。その割合は年々増えており、医療・保健分野だけでなく全ての分野で環境・社会整備が望まれている。
国連人口基金の2014年報告書では、ミャンマーの高齢者数は急増しており、60年前の約4倍に膨れ上がっている。2030年には、60歳以上の高齢者が全人口の15%を占めるようになり、2050年にはその割合が4分の1になるという。
(Myanmar TimesよりJMSA抜粋・翻訳)
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