ミャンマー民主派「統一政府」発足で国軍に対抗
民主派で結成された組織「連邦議会代表委員会(CRPH)」は4月16日、クーデターで全権を掌握した国軍に対抗するため、「統一政府」を発足させたと発表した。
CRPHは3月、国軍に有利な現行憲法の廃止を宣言し、暫定憲法「連邦民主憲章」を制定した。それに基づき、統一政府を樹立したことを明らかにしたが、国軍側も最高意思決定機関「国家統治評議会」を設置しているため、ミャンマーに二つの政府が存在する事態となっている。
統一政府は、ウィンミン氏とアウンサンスーチー氏の二人をこれまで同様の大統領と国家顧問に据えたほか、副大統領をはじめ、カチン、カレン、チンなど少数民族出身の閣僚も登用した。
(2021年4月16日付けIrrawaddy記事より要約)
カチン州で戦闘激化
カチン州の反政府武装組織「カチン独立軍(KIA)」は3月中旬より、国軍を政府と認めないとする立場を明確にし、国軍への攻勢を強めている。
KIAは3月下旬、中国との国境に近い戦略的要衝の国軍基地を襲撃し、今なお占拠している。
国軍は基地奪還を目指し、連日、空爆で攻撃するなど、双方の戦闘が激化している。国軍側はこれまでに上官を含む100人近い兵士が殺害されたと報じられている。
KIAによると、4月16日午後1時頃、国軍の車列を地雷で攻撃し、車両1台が炎上、兵士3人が死亡した。また、同日午後7時頃には30人程度の部隊を襲撃し、少なくとも兵士5人を殺害したと発表したが、KIA側の犠牲者については明らかにしなかった。
KIAは翌17日朝にも、国軍、警察、移民当局が駐在する検問所を襲撃し、兵士3人を拘束した。その他の治安当局者は全員撤退したとされる。
地元住民によると、戦闘は朝5時から8時半頃まで続いた。ある住民は、「KIAより、次の火曜(4月20日)までは、たとえ畑の世話でも外出しないようにと、事前に通告があった。KIAは戦闘の後に検問所から撤収したが、今では国軍が戻ってきてセキュリティーチェックを強化している」と話した。
4月15日にはカチン州と隣接したシャン州でも戦闘があり、国軍は周辺地域の軍備を増強している。武装勢力側は市民に対する弾圧をやめない限り、国軍への攻撃を止めない姿勢を明らかにしている。
(2021年4月17日付けIrrawaddy記事より要約)
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