2017年4月21日金曜日

ミャンマーのニュース(2017年4月19日)

中国とミャンマー、石油パイプライン稼働について最終合意
 
4月10日、中国とミャンマーが約10年にわたり交渉を続けてきた石油パイプライン事業の稼働が正式に決定し、中国の劉振民(リウゼミン)外交副部長は当事業を「ただちに開始する」と公表した。訪中していたミャンマーのティンチョウ大統領と中国の間で最終合意に達した。
 
石油パイプラインは中国西部と中央アジア・欧州をつなぐ「一帯一路」構想(注)に基づいて建設された。中東産原油を、マラッカ海峡やシンガポールを介さず、ミャンマー国内を経由して中国に送るのが目的だ。
 
石油パイプラインの長さは約770キロメートル。ミャンマー西部のラカイン州、マグウェー管区、マンダレー管区、シャン州を経由して、1日26万バレルの石油を、中国内陸部の雲南省に運ぶことができる。
 
ミャンマー政府と中国政府の不安定な関係により、2010年から約1629億円を投資して建設されたパイプラインは、空のまま2年間放置されていた。
 
ミャンマー国営紙によると、4月10日、約13万トンの原油を積んだタンカーが、中東からラカイン州チャオピューのマデ島に到着した。原油は貯蔵タンクに注がれ、石油パイプライン試験運用の第一段階が完了したという。
 
ミャンマーは今後、通行権として年間約7億5千万円、パイプライン使用料として原油1トンあたり約108円(1USドル)、原油税として原油1トンあたり約3428円と、株主としての配当金を受け取る。
 
注)一帯一路…中国国家主席習近平(シュウキンペイ)が2013年に提唱したアジアとヨーロッパを結ぶ二つの経済圏構想。一帯は中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパにつながる「シルクロード経済ベルト」、一路は、中国沿岸部から東南アジア、インド、アラビア半島の沿岸部、アフリカ東岸を結ぶ「21世紀海上シルクロード」をさす。([参照] アジアインフラ投資銀行)
 
(Global New Light of Myanmar、Democratic Voice of BurmaよりJMSA抜粋・翻訳)
 
 
軍政時国外避難者によるミャンマーメディア、国営テレビ放映権取得
 
ミャンマー軍事政権時代に国外に逃れた者が立ち上げたメディアグループ、デモクラティック・ボイス・オブ・バーマ(DVB)とミッジマ(Mizzima)が、ミャンマー国営ラジオ・テレビ放送(MRTV)内で番組放映権を得た。
 
ミャンマー情報省は2016年末、MRTVの番組提供者を募集した。29社が応募し、10社が最終選考に残っていた。MRTVは2017年4月11日、上記2社を含む5社に放映権を与えると発表した。
 
MRTVは1979年に設立され、数十年にわたり軍事政権のプロパガンダを放映してきた。
 
DVBは、ノルウェーのオスロ市に逃れたミャンマー人活動家が1992年に設立した。ミャンマー国内に移動する2012年まで、ノルウェーとタイから衛星ラジオ・テレビで番組を放送してきた。今回の決定で、ミャンマー国内で放送拠点を得ることになる。
 
ミッジマはインドのニューデリー市で1998年に設立された。創設者ソーミン氏は、ミャンマー軍事政権への反対を表明するため、1990年にバンコクからヤンゴンへ向かうタイ航空機をハイジャックした人物である。
 
(IrrawaddyよりJMSA抜粋・翻訳)

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