ASEAN国防会議にミャンマー軍事政権の代表が参加
戦争で荒廃した国で活動を続ける何百もの民主化団体はASEAN諸国に対し、ミャンマーの軍事政権との関係を断つよう訴えていた。にも関わらず、6月22日にカンボジアの首都プノンペンで開催されたASEAN国防相会議(ADMM)にミャンマー軍事政権代表が出席した。
ミャンマーのミャトゥンウー軍司令官は、2021年2月に国軍が同国の民主政府を追放して以来、独自に設立した国家行政評議会(SAC)の代表として最高幹部へ参加した。
ASEAN加盟国の10カ国は、このような関与は政権とその反対勢力に対する非情な弾圧を容認または是認しているように見えると懸念しており、政権への対処について意見が分かれている。
シンガポール、フィリピン、インドネシア、マレーシアは、2022年のASEAN議長国であるカンボジアに対し、ミャンマーで繰り広げられている敵対行為が終わる兆しが見えるまでは、軍事政権による参加は見送るべきだと表明している。
マレーシア国防省は、「今日の会議にミャンマーの国家行政評議会の代表も含めたミャンマーからの参加があったとしても、マレーシアがSAC(国家行政評議会)を正当なミャンマー政府として認めたという意味ではない」と声明を出した。
「マレーシアが常に強調してきたことは、ミャンマーの政治的危機の解決策を見出すために5項目の一致内容に基づき合意事項の実施を加速させなくてはならないことだ」と述べた。これは、2021年4月24日にASEAN指導者らとミャンマー軍のミンアウンフライン国軍総司令官との合意内容について言及している。
この合意は、ミャンマーでの暴力行為の断絶、人道支援の提供、ASEAN特使の任命、特使の仲介によるミャンマーの各グループ間の協議の実施を求めた内容となっている。
一方で、カンボジアのティーバン国防相は、ミャトゥンウー氏による会議の参加は、同地域が安全保障問題に関して一つになっていることを表しているとも語った。
「この参加は、解決策を見出すことを目的としているため、あれこれ非難したりと全てに対応することはできない」とティーバン氏は記者会見で述べ、会議にミャンマーの参加を認めたことへの批判に答弁した。
インドネシアのプラボウォスビアント国防大臣は相手国の関係者に対し、相互間の利益を守る観点から互いの相違点は当面切り離して扱うよう訴えた。
「我々は、外部の権勢によりASEANが分断してしまったり、その抗衡に巻き込まれるようなことは決してあってはならない。ASEANと国民の未来は、私たちの肩にかかっており、紛争ではなく平和を、そして争いよりも協力を願っているという点では、私たち全員が同じ考えを共有していると信じている」と述べた。
ミャンマーの677の民主主義団体連合は先週、ASEANの国防相宛てに公開書簡を作成し、軍事政権の代表を招聘しないよう求めた。
各団体は、2021年のASEAN首脳会議や2022年の外相会合など、軍事政権からミャトゥンウー代表を締め出すというその他のASEANの決定と矛盾すると述べた。
当書簡では、「軍事演習を含めたADMM(ASEAN国防相会議)による軍事政権への関与は、この政権の戦争犯罪や人道に対する罪の助長に相当する恐れがある」と書されている。
カンボジアの国営メディアによると、会議後の共同宣言の中で閣僚らは、COVID-19の抑え込みを目的としたASEAN防衛軍間の連携強化、ASEANの女性による平和維持隊への支援拡大、防衛関連教育施設へのさらなる協働、海洋安全保障強化のための情報共有に合意したという。
(2022年6月22日,RadioFreeAsia.よりJMSAが翻訳・要約)
WTO、食糧難への緊急対応に取り組む
最近閉幕したWTO(世界貿易機関、以下WTO)閣僚会議の中で主要な成果の一つに、世界が直面している食糧難への対処に関する政治的公約の到達がある。
これは、COVID-19ワクチン製造の知的財産権放棄に関する合意と共に、ますます多様化する世界でのWTOや多国間主義への期待の再起を果たすものであった。
世界を見ると、特に世界中の開発途上国が経験した食料や農産物の貿易の混乱、記録的な価格高騰そして過度な変動性を加味した上で、2022年6月12日から15日まで開催された会合で食糧難への緊急対応に関するWTO閣僚宣言において
「穀物、肥料、その他農作物生産への投資を含む食料と農業の世界市場の機能性と長期的な回復力向上を図るために貿易促進と具体策を講じる」と政治的公約が表明された。後発開発途上国や食料純輸入途上国は、食糧価格の高騰により不相応な影響を受け、財政やその他農作物の生産能力関連の課題も相まって貿易条件の悪化が見られる。
このことはWTO閣僚会合で検討されてきたが、この宣言の中でWTO加盟国は、「開発途上国の小規模な食料生産者の利益を考慮した上で国連の2つ目の持続可能な開発目標を達成するために、公正かつ市場重視の農業貿易システムの実現、飢餓のゼロ目標、食糧安全保障と栄養改善の達成、持続可能な農業と食料システムの促進、生産性および生産力を高めるタフな農業実施に向けて前進する決意 」と言明している。
この宣言で提案されたその他の具体的な方策として、後発開発途上国および食料純輸入途上国特有のニーズや状況への対応、WFP(国連世界食糧計画)を含め、ドナー国に対し貧困国や脆弱な国に食料を供給するための働きかけの実施、LDCs(後開発途上国)及びNFIDCs(食料純輸入途上国)に対し農業生産能力、インフラ、農作物の生産高を改善するために国際及び地域金融機関を含めた技術、財政支援の実施、余剰株式を有する加盟国に対してWTO規定に常に準拠した国際市場での公表の働きかけ、そして最後に農業市場の透明性や食糧確保の政策対応の強化を目指した国内外での情報共有が挙げられる。
(2022年6月25日,mizzimaよりJMSAが翻訳・要約)
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