2022年7月20日水曜日

2022年7月13日更新【今日のミャンマーニュース】「ASEAN特使の新たな願いは、ミャンマーのアウンサンスーチー氏との面会」

ASEAN特使の新たな願いは、ミャンマーのアウンサンスーチー氏との面会

東南アジア諸国連合(以下、ASEAN)のミャンマー特使は、全ての関係者と顔を合わせなければミャンマーの政治的危機の解決に向けた任務は実を結ばないという批判が高まる中、軍事政権に対し拘束中である野党党首のアウンサンスーチー氏との面会を再度訴えた。

 

プラックソコンASEAN特使は、就任後2度目となるミャンマー訪問の3日目の7月1日金曜日に首都ネピドーで7つの民族武装集団の代表と協議を行った。

 

武装集団の首謀者らは、2時間の協議の中でラジオフリーアジア(ビルマ版)(以下、RFA)に対し、「プラックソコン氏は、全ての関係者との紛争解決に向けた対話、国全土における停戦、そして困窮している人々への人道的支援の3つの目標達成に取り組んでいる」と説明した。

 

プラックソコン氏はまた、辞任した国民民主連盟(以下、NLD)のアウンサンスーチー党首との対談を望んでいるが、各団体は「非常に難しい」と述べた。

 

2018年にミャンマー政府の国内停戦協定に署名した野党の新モン州党(以下、NMSP)の報道官であるナイアウンマンガイ氏はRFAに対し、ASEAN特使は、木曜に行われた政権指導者のミンアウンフライン国軍総司令官との協議の中で「お目にかかるに値する人物」との対談を求める意を示したと述べた。

 

NMSPの報道官によると、プラックソコン氏は「刑務所の問題に関して最善を尽くしている」と述べた。また「先日は(政権の)議長とお会いし、こうした問題について議論した」を語った。同氏はまた「対話についても話し合った」という。

 

同報道官の話では、現時点で「刑務所に収監されているアウンサンスーチー氏の件に関して、面会は非常に難しく、多くの時間を要するだろう」とのことだ。

 

ナイアウンマンガイ氏は、プラックソコン氏が3月に特使として初めてミャンマーを訪問した際に軍事政権によりスーチー氏との面会を拒否されたことに対し意義を唱えた。

 

NMSPの報道官は、「プラックソコン氏の(ASEANの議長が年度末に交代するまで)現職の在任期間がまだ6か月ほどあるため、引き続き諸問題に取り組んでいる」と報じた。同報道官によると、「プラックソコン氏は、任期満了前に打開策を見出すよう努力する」とのことだ。

 

20214月のミャンマー情勢に関する緊急会合でミンアウンフライン氏は、政治的危機を解決するために全ての関係者との協議を含め、国内で起きている暴力に終止符を打つべくいわゆる「5項目合意」に合意していたが、その公約を守ることができなかった。オブザーバーからは、「NLD指導部やその他政治的影響力を持つ人物らをこの一連の合意形成の過程に加えなければ和平は実現できない」との意見が出た。

金曜日にプラックソコン氏と協議を行った民族武装集団には、NMSPに加え、シャン州復興評議会(RCSS)、民主主義カレン軍(DKBA)、アラカン州解放党(ALP)、カレン国家平和評議会(KNLA/PC)、ラフ民主連合(LDU)、そしてパオ国家解放機構(PNLO)が含まれており、7つ全てが2015年以降、政府と国内停戦協定(NCA)を締結している集団である。

 

ALPの副議長を務めるソウムラヤザリン氏によると、プラックソコン氏は、国の政治的な膠着状態を打開するための協議に他に誰を加えるべきかに関する考えも各集団に尋ねたとRFAに語った。

 

しかし、「全ての政党、全ての民族武装集団、市民社会の間で構成される組織、そしてその他関係者も含む必要があり、我々側は、そのような状況が不可欠である旨をプラックソコン氏に伝えた」と考えを示した。

 

法の上に立つものは誰もいない。

 

プラックソコン氏の5日間の外交日程に先立ち、ASEAN議長国であるカンボジアのフンセン首相とともに、スーチー氏とNLDのウィンミン大統領との面会を求めたが、軍事政権はこれを拒否した。複数の罪に課せられているNLDの高官である両氏は、政治的動機があると広く考えられているため、202121日の軍のクーデター直後に逮捕された。

 

プラックソコン氏はまた、先週ネピドー刑務所に移送されたスーチー氏を元の拘留所に戻すよう訴えた。劣悪な環境である刑務所では十分な医療を受けられないため、77歳のスーチー氏の健康状態が危惧されているからだ。しかしこの訴えは、金曜日に政権の情報副大臣であるゾーミントゥン少将により却下された。同少将は記者会見で「誰も法律の上に立つ者はいない」と述べ、スーチー氏には「適切な食事と必要な健康管理」を提供するための特別な準備を行っていると所見を述べた。

 

プラックソコン氏の訪問に関してゾーミントゥン氏に何度も連絡を試みたが、金曜日時点で何らコメントは得られなかった。

 

軍は、特使が訪問中に「一部のNLDメンバー」との面会を許可すると述べたが、それが誰なのかは明らかにしていない。 

 

見出せない解決策

 

RFAの取材に対し、影の国民統一政府(NUG)国防省のナイントゥアウン常任理事は、金曜日に行われた協議を「偽り」と評し、

ミャンマーの政治的危機に対する現実的な解決策は生まれないと述べた。

 

「協議への参加に値する全ての人々が関わりあうことが非常に重要だ」とナイントゥアウン氏は見解を述べた。

 

「偽りである政治的な対話は、ミャンマーの政治や武力紛争の解決策にはならず、またそのような対話はより悲観的な結果をもたらす恐れがある」と同氏は付け加えた。

 

ミャンマーを拠点に活動する政治アナリストであるイェトゥン氏は、カイン、カチン、チンやカヤー州、そしてサガインやマグウェイ地域で政権軍と交戦を繰り広げている武装集団を金曜日の会合に出席させられなかったため、国内で続く軍事的緊張の緩和にはほとんど有意性がなかったと指摘した。

 

イェ・トゥン氏は、反軍事政権派の自警組織「人民防衛軍(PDF)」を支持する複数の武装民族集団も軍との協議を拒否していると言及した。

 

(20227月1日 RFAよりJSMAが翻訳・要約)

 

 「※その他のミャンマーニュースはこちら

「※ミャンマー工場設立支援はこちら

「※ミャンマー人・外国人採用はこちら

「※縫製委託・OEMはこちら

「※CADオペレーター・エンジニア拠点設立はこちら

「※ミャンマー現地進出支援はこちら

「※通訳派遣はこちら

#ミャンマー #ミャンマーニュース #海外ビジネス


0 件のコメント:

コメントを投稿