ASEAN外相、米国との首脳会談を前にワシントンで会合
マレーシア外務省は、東南アジアの外相が5月11日にワシントンで「非公式」に会談を開き、ミャンマーが民主化に向けて前進するためのASEANとの合意を同国軍事政権が反故にしたことについて議論すると発表した。
同省サイフディン・アブドラ外相によると、会合はアメリカの首都で2日間にわたって開催されるアメリカ・ASEAN首脳会議の前夜に行われ、ASEANがミャンマーの国民統一政府(NUG)に非公式に関与することを求めるという。
さらに、同外相が地元紙「The Star」に対して、「5月11日の会合は非公式に開催され、ミャンマーのクーデターの危機について話し合う」、「5項目が適切に実施されるにはどうすればよいか、いくつかの意見を出すつもりだ」などと語ったことも確認された。
5項目とは、2021年4月24日にミャンマー情勢を協議するASEAN首脳会議で発表された議長声明の5項目のことであり、「暴力の即時停止」、「すべての当事者間の建設的な対話」、「ASEAN議長特使による対話の仲介」、「ASEANが調整する人道支援の提供」、「すべての当事者と会うための特使を長とするASEAN代表団のミャンマー訪問」を要求している。
5項目の実施は、大失敗であったというのが大方の分析である。ASEAN特使は全関係者と会うことができず、ミャンマー軍事政権は2021年4月の首脳会議で5項目に合意した後、さらなる暴挙に出ている。
また、東南アジアの国会議員のグループは5月9日、ASEANと米国に対して、来週行われる会議を機に、ミャンマー軍に対してより厳しい措置を開始するように促した。
ASEAN人権議員連盟は声明で、「米国とASEANに対し、ミャンマーのグループ加盟停止、ミンアウンフライン氏とその将軍らの領内渡航禁止、クーデターの指導者に対する標的制裁など、これまでよりもはるかに強力な措置をとるよう求める」と述べている。
(2022年5月9日, The Irrawaddy紙よりJMSAが翻訳・要約)
ミャンマー軍事政権、国連ミャンマー特使のASEAN会議への出席を拒否
5月6日にカンボジアのプノンペンで開かれたASEAN人道支援会議において、ミャンマー軍事政権が国連ミャンマー特使の出席を阻んだ。
同会議では、2021年に軍事クーデターが起きたミャンマーへの援助を届ける計画について話し合われ、ミャンマーへの支援提供に関する軍事政権の責任者であるコーコーライン国際協力担当大臣が出席した。
国連ミャンマー特使が出席を禁じられた理由は明らかではないが、特使が国民統一政府(NUG)の議会機関及びミャンマーの救援・再定住担当大臣であるウィンシャッエイ氏と、同国への人道支援を含む問題について会談したことがきっかけとなった可能性が高いとみられている。
プノンペンでの会議の成果には、災害管理に関するASEAN人道支援調整センター(AHAセンター)が、ミャンマー軍事政権が指定する地域に、同政権と連携して援助を届ける計画が含まれている。
これについて、ミャンマー特別諮問評議会(SAC-M)は、「人道、中立、公平、独立といった人道の基本原則を踏みにじるもので、ミャンマー軍政の軍事目的を進めるものだ」として非難している。
同団体によると、ミャンマーでは1400万人が人道支援を必要としており、ミャンマー国内では推定80万人が国内避難民となっている。その多くは、ミャンマー軍事政府による攻撃から逃れるために、政府の統制がきかない国境沿いの領土に避難している。軍事政府は、これらの地域への国境を越えた援助を拒否している。
(2022年5月9日, The Irrawaddy紙よりJMSAが翻訳・要約)
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