2019年5月14日火曜日

【2019年4月ミャンマーニュース】「世界銀行が銀行改革と投資増加による経済成長を予測」他


世界銀行が銀行改革と投資増加による経済成長を予測


世界銀行が発表した「2019年4月東アジア・太平洋経済アップデート」によると、

ミャンマーのGDP成長率は、2020年の選挙を前にした公共投資に支えられて

2019年、2020年通期で6.5%に加速し、その後も6.6%へと拡大する。

短期的には拡張的財政政策が成長を刺激し、中期的には近年の構造改革が

成長を支える見込みだ。



今会計年度(2018年10月から2019年9月)は貿易赤字の縮小が予想される。

主因は衣料製品の輸出増と資本財の輸入減少だ。

資本財の輸入鈍化は、今会計年度4月までの民間投資額の減少と符合している。



しかしながら、世界銀行によると、外資系の銀行、保険会社への門戸開放などの

国内諸改革進行とマクロ経済の安定で公共投資、民間投資が増加、

経済の好転が予想される。

当局のビジネス環境強化と和平プロセスの促進努力が投資を促進する。



今月初めに発表された国際通貨基金のレポートは、今期通年の経済成長率を

6.4%と予測、潜在的成長率を下回ると見ている。



今期、来期とも成長の加速が予想されるものの、国内紛争や貿易摩擦、

原油価格の上昇、中国への過剰な経済依存などの外部要因が制約要因となる。



国内経済界はもっと慎重な見方だ。

ミャンマー商工会議所連盟のマウンマウンレイ副会頭は

「国際機関はミャンマー経済をマクロな視点で分析するが、

国内産業界はもっとミクロな視点で見ている」

「上向いている業界もあれば、貿易の停滞に苦しむ業界もある」

と語る。



 さらに、ミャンマーはEUに一般特恵関税制度(GSP)の恩恵を撤回されるリスクにも

さらされている。もし廃止されれば輸出は大打撃を受けることになる。



(Myanmar Times記事をJMSAが要訳)





外国投資家に低価格住宅プロジェクトへの

長期投資を呼びかけ



ヤンゴン管区政府は外国投資家に投資期間15年以上の低価格住宅建設プロジェクト

投資を呼びかける方針だ。



管区内の住宅難解消のため、低価格住宅の建設プロジェクトが進行中で、

当局は、民間銀行の協力による割賦販売を検討中だ。



「低価格販売の実現が可能なのは、管区政府が対象地に地代を科さないからだ。

プロジェクトに長期的な投資が行われない場合、住宅の購入希望者は代金を

長期分割ではなく、短期間で返済しなければならず、購入困難になる。

建設の資金源として契約期間15年間以上の長期投資が必要だ」

と当局者は語る。



住宅産業は今後10年間のヤンゴン市開発のために改革が必要な産業の一つだ。

毎年10万棟のアパートを供給できない場合、深刻な社会問題となり、

市民の生活水準向上を阻害、治安環境を悪化させることになる



ミャンマー公認建設業協会は

「当協会は現状管区内の4地区に約1万棟のアパートしか供給できない」

「管区当局に早急に詳細な提案書を提出するつもりだ」

と語る。



(Global New Light of Myanmar記事よりJMSA要訳)





ヤンゴンとマンダレーで4件のメガプロジェクト始動



建設省筋によると、ヤンゴンで3件、マンダレーで1件の連邦政府レベルの大型建設工事が始まった。



①Eco Green City Project (ヤンゴン管区)

  建設省と国内資本のAlliance Star Group of Companyの共同事業。

  第1期工事は2018年から2023年。

  低価格住宅、高級住宅、高速道路、バスターミナル、マーケット、レストラン、

  オフィス、ショッピングモール、遊園地などが建設される。



②Smart District Project (ヤンゴン管区)

  総投資額1億8500万米ドル(約2百億円)。住宅主体。



③Korea-Myanmar Industry Complex Project(ヤンゴン管区)

  建設省が管轄し、韓国土地住宅公社60%、ミャンマー都市住宅開発局40%を

   共同出資。



④Clean, Green and Smart Satellite Town Project 

  (New Mandalay Resort City Project)

   2017年、建設省監督下に運営委員会が組織された。

   シンガポールの国有コンサル会社Surbana Jurong社と開発会社3社が

   事業化調査を行った。



(Eleven Myanmar記事をJMSAが要訳)




2019年4月20日



政府が為替損失補填で追加予算を要求



ウィンミン大統領が外貨収入・外貨準備減少への対策として、

企業に外貨建ではなく、ミャンマー通貨建の商取引を増やすよう求めた。



この会議は連邦、管区、州政府が要求する追加予算と、議会に正式に提出される

今年度政府予算案の承認のために開催された。



大統領によると、為替損失や土地補償、公務員給与、旅費、税収不足による

赤字を補填するために追加予算が必要になる。



今期の上半期は、ミャンマーの輸出は農産物の不振にも拘らず前年同期比で   

6億5000万米ドル(約730億円)増の80億米ドル(約9000億円)に達した。

 一方、輸入は89億米ドル(約1兆円)増加し、1億米ドル(約112億円)以上の

貿易赤字となった。

                                             

また外国からの借款を外貨で返済するために外貨準備が減少した。



政府は現会計年度に2.6 trillionチャット(約2000億円)の補正予算を

要求しているが、為替下落などにより当初予算より10.7%増加している。



(Myanmar TimesよりJMSA要訳) 





国際通貨基金がミャンマー経済の短期的な減速を予測



国際通貨基金(IMF)は、ミャンマー経済は、2018年に堅調に回復したものの今年は

減速すると予想している。



しかし政府が行政改革を続けて投資誘致に励み、長年の鎖国状態に終止符を打つなら

中期的には回復が加速される、との見方だ。



IMFによると、南アジア経済は今年度も堅調に拡大するが、財政赤字拡大や   

グローバルな要因による景気減速に直面している。

ミャンマーについてはとりわけ、農産物輸出への過剰な依存、不十分な投資、

為替の下落などを指摘している。



IMFによると、ミャンマーの昨年のGDP経済成長率は農業部門の回復や

堅調な輸出で6.8%となった。                                             



インフレ率は4%で安定したが、財政赤字が上昇してGDPの2.7%に達した。



(MizzimaよりJMSAが要訳)





国際金融公社が環境団体のリスク評価能力強化を支援



ミャンマー環境評価協会(MEAA)が、民間事業分野で環境・社会(E&S)リスク

評価能力を向上するための合意書を世界銀行系の国際金融公社(IFC)と締結した。



MEAAは会員数100余りで、政府や企業に対し、環境・社会的影響評価についての

技術的な助言を提供している。



合意により、IFCの環境・社会リスク評価助言部門は、MEAAに専門的技術訓練を

提供する。



(Myanmar TimesよりJMSA要訳)



2019年4月15日



ミャンマー政府が建設会社に不動産開発許可を発行



近年停滞していた建設、不動産業界の先行きに明かりが見えてきた。



2016年コンドミニアム法を執行するための建築管理委員会が立ち上げられて

3カ月後、合計32社の開発業者と建設会社に開発業者許可証が与えられた。



ミャンマー建設業者協会によると、これに先立って建築委員会設立後1か月後に

20件の開発許可証が発行されている。



建築管理委員会はいまだに外国資本による不動産所有の定めが不明確な

コンドミニアム法の解釈を明確化するために設立された。

政府と外国投資家の間を取り持つのが役目だ。



例えば、法によると、仮に外国投資家がコンドミニアムを購入した場合、 

彼らは自国の銀行からミャンマーの銀行勘定に代金を移動させなければならず、

 ミャンマー中央銀行 (CBM)と懇請のメンバーからなる建築管理委員会の間で

代金支払い実行のための交渉が行われる。                                   



一方、担保付き建物を建築する人は正式に銀行勘定を開設し、

十分な資金力があることを示すために最小限の資金を

ミャンマーの銀行に預金しなければならない。



現在、ミャンマー銀行協会とCBMが、外国投資家による購入資金の分割払いも含めて

検討中で、来期末には明確になるだろう。                                 



現在3万棟のアパートが建設中で、うち60%は完工状態だ。



(Myanmar TimesよりJMSA要訳)



アセアン各国の投資力に差



オックスフォードビジネスグループ (OBG)発表の「2019年版ASEAN CEO調査」

によると、ASEAN各国の経営トップはおおむね経済先行きを楽観しているが、

投資環境が投資の障壁になっている国もいくつか見受けられる。



国際的なリサーチ会社であるOBGは、タイ、インドネシア、フィリピン、                                                           

ミャンマーなどの経営者に経営の実感を探るため、面談方式で取材を行った。



回答者の75%は今後12カ月以内に相当額の投資をすると回答、取材した上記4カ国

の経営者は概ね前向きな姿勢だったが、特にタイの経営者の81%が最も前向きで、

インドネシアの経営者の投資マインドが72%と最も低かった。



資金環境の差も各国企業の投資力にバラツキを生んでいる。

前掲4カ国のうち資金調達が容易だと回答したのは39%で、46%は資金調達が

容易でないと回答した。投資税制の差も大きい。

タイとフィリピンの経営者はおおむね楽観的だが、ミャンマーの経営者は81%が

資金調達は容易でない、と回答した。



当然ながら中国経済の減速が最大の関心事で、28%のアセアン経営者がこれを

保護主義や穀物価格の上昇とともに、最大の国際的脅威とみなしている。



しかしながらOBGアジア版編集長のパトリック・クーク氏は、 

「中国のアセアン地域への影響力は大きいにしても、アセアン地域の6億の人口が

結合されれば世界経済の混乱に対抗可能だ」と語る。



(Myanmar Business TodayよりJMSAが要訳)





ミャンマーの海上貿易が今期 110億米ドルに



ミャンマー政府によると、今年度期中(昨年10月から今年の3月15日まで)、

海上対外貿易が110億米ドル(約1兆2300億円)に達した。



同一期間中に、ミャンマーの総貿易額は155億1000万米ドル(約1兆7300億円)

に達し、うち44億6000万米ドル(約5千億円)が国境貿易だ。



ミャンマーの主要輸出品は農産物、畜産物、水産物、鉱物、木材などで、輸入品は

資本財、中間財、消費財、加工財などだ。



(Myanmar Business Today記事よりJMSAが要訳)





米国政府が紛争と人道的配慮に懸念を表明



ヤンゴンの米国大使館が、ラカイン州及びシャン州で起きたアラカン軍と

ミャンマー政府軍の衝突による一般市民の被害について、重大な懸念を表明した。                                             

米国政府は全当事者に戦闘終結と平和的解決に向けた新たな努力を行うよう

以下の呼びかけを行った。                                                         



「米国は、紛争のために住居から追われた1万7000人以上の市民に対して、

ミャンマー政府当局が十分に人道的な配慮をしていないことを懸念している」

「政府当局が居住地を追われた住民の一部への食糧援助を許可していることは

認めるが、まだ不十分だ」



2019年1月以来、ラカイン州の5つの町で人道支援団体などへの活動規制が

行われており、少なくとも9万5000人の市民にヘルスケア、教育、清潔な水といった

基本的なサービスを供給することができない状況だ。



「10万人以上が居住地を追われたカチン州や北部シャン州でも人道的援助が

妨げられる状態が続いている。米国はミャンマー政府が増大する人道援助の

必要性に十分応えるよう求める」



 米国政府は、「ミャンマー政府と軍が、ラカイン、カチン、シャン北部で人道援助と

生活を改善する努力を再開するよう求める」との声明を出した。



(Mizzima 記事よりJMSAが要訳)



2019年4月7日



アジア開発銀行が今年度のミャンマー経済の回復を予想



アジア開発銀行(ADB)は「ミャンマー経済は外国投資と政府の政治経済改革への

積極的評価が寄与して、今会計年度中に回復し、来期も拡大が継続する」との予想

を発表した。

2019年に前年比6.6%、2020年には同6.8%成長するとの予想だ。

 2017年には前年比6.8%成長だったが、2018年には6.2%に落ち込んでいた。

シンガポールやアジア諸国からの製造業、サービス業への直接投資(FDI)が成長を

牽引している。



ADBによると、外国直接投資の承認手続きの標準化も投資増加に貢献している。



ミャンマー投資委員会(MIC)によると、シンガポールからの投資が200億米ドル

(約2兆2000億円)と、今年2月時点で中国を追い抜いてミャンマーへの最大の

投資国になった。

3月、MICはアウンサンスーチー国家顧問が2016年に就任以来始めてミャンマーへの

外国直接投資が増加に転じたと発表した。

これらの影響で今後再び貿易赤字が増加することが予想される。



観光業の復活によりサービス部門が今年9%伸長すると予想される一方で、

農業は昨年の水害の影響が残り、低迷が予想される。

(The Irrawaddy記事よりJMSAが要訳)



マネーグラムがミャンマーで対外送金サービス開始



米国の送金会社マネーグラムが、ミャンマーから海外への送金サービスを開始した。

マネーグラムとミャンマー市民銀行(MCB)は、ミャンマー国内のすべてのMCB店舗で

国外向け送金サービスを開始することで合意した。顧客はMCBの国内42店舗から

世界200か国余に展開するマネーグラムの拠点に送金可能になる。



この新しい合意を祝ってマネーグラムは3月31日までの期間、ミャンマー国外への

送金に奨励金を支払った。



「長年にわたりミャンマー国民は海外で暮らす家族や友人からの送金を受取るために

マネーグラムのサービスに頼ってきましたが、今度は世界中で暮らす家族や友人に

ミャンマー国内から送金できるようになりました」

とマネーグラムのミャンマー代表は式典で語った。



 世界銀行によると、2017年にミャンマーから国外への送金は4億2000万米ドル

(約470億円)で、ほとんどはタイ、中国、米国向けだった。

(Myanmar Business Today記事よりJMSAが要訳)





EUが教育支援基金を提供



ミャンマー国家顧問室によると、EUが教育、基礎技術向上のためにミャンマーに

資金援助を行うことになった。

合意により、EUは約2億5200万米ドル(約280億円)を供与する。



この基金は計画財務省ほか関係官庁が所管し、技術教育、職業教育の強化、作業場や

学生寮の建設などが主要な資金使途になる。

(Myanmar Times記事よりJMSAが要訳)

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