2019年3月6日水曜日

ミャンマーニュース「輸出加速で貿易赤字の縮小続く」「日本と中国の投資家がラカイン州に関心」「2020年9月シャン州に新空港が開港」「裁判所による調停手続きの試行が始まる」

輸出加速で貿易赤字の縮小続く
2019年3月3日

2018/2019会計年度(2018年10月から2019年9月まで)の最初の4か月間の貿易赤字が、
輸入減速により前年同期比で縮小した。

商務省によると、今年2月第2週までの貿易高は126億5000万米ドル(約1兆4,200億円)で、前年同期比6億3400万米ドル(約710億円)の増加だ。
輸出が59億米ドル約6,600億円)に達する一方、工業原材料、消費財の輸入が
減少したためだ。

一方、ミャンマーの衣類の輸出は前年同期比1億8700万米ドル(約210億円)増加して
8億8500万米ドル(約990億円)に達した。
工業完成品の輸出が9億2000万米ドル(約1,030億円)増加して33億7000万米ドル
(約3,770億円)に達したためだ。
鉱物、木材資源の輸出は減少した。

政府は今会計年度の貿易高の目標を、輸出153億米ドル(約1兆7000億円)、
輸入158億米ドル(約1兆8000億円)、合計310億米ドル(約3兆5000億円)としている。

前会計年度(2017/2018)には外国からの直接投資が減少しており、今会計年度に入っての貿易高の増加は、政府が贅沢品輸出の選別、輸入代替の奨励、輸出促進を進めて来た努力の成果といえる。

しかし一方、2018年度の世界銀行レポートによると、資本財輸入の減少は、
ミャンマーの工業部門、建設部門からの需要停滞、国内の広範囲な景気減速を
示してもいる。

(Myanmar TimesよりJMSAが要訳)


日本と中国の投資家がラカイン州に関心
2019年3月3日

ラカイン州北部の紛争が引き起こしている人権問題が欧米資本の投資を消極化させる中、
2月22日開催のラカイン州投資フェアーで、日本や中国のの投資家の寄せる関心が目を引いた。

出席したアウンサンスーチー国家顧問は
「近年の地域紛争で投資が縮小し、成長が停滞しているラカイン州の混乱の多くは
経済発展によって解決できる」と語った。
政府は、政治解決が困難な現状で、経済発展こそが地域社会の対立を緩和し、
ひいては終息させる、と信じている。

イスラム教徒の武装勢力との衝突に続く政府軍の攻撃で、2017年以来、州北部の
イスラム教徒約70万人が隣国バングラデシュに逃げ、
いまだに国境沿いの難民キャンプで暮らしている。

国連の調査団は現地の惨状に照らして、「企業は、国連のビジネスと人権に関する指導原則 UN Guiding Principles on Business and Human Rights (UNGPs)の遵守を確約すべきだ」
と進言した。

ラカイン州は天然資源が豊富で、中国とインド洋を結ぶ中継地としての発展可能性も
持っている。
しかし外国からの投資は、デウー海底油田開発、中国による石油ガスパイプラインの建設と、ガパリなどの州南部の海岸の観光資源開発などに限られている。

ラカイン州の紛争でEUはミャンマーとの投資保護協定調印を撤回し、ミャンマーに
圧力をかけている。EUはまた、ミャンマーへの一般特恵関税制度適用の撤回も検討中だ。

しかし日中の投資家はラカイン州投資フェアーで投資への関心を明らかにし、シンガポール、韓国がこれに後続している。
日本の丸山大使は、投資フェアーで道路、電気などのインフラ分野への経済援助を表明した。

フェアーでは28件、総額49億米ドル(約5500億円)商談が契約されたが、ほとんどはホテル、観光分野への投資で、州によると、1年以内に着工予定だ。

(Myanmar TimesよりJMSAが要訳)


2020年9月シャン州に新空港が開港
2019年2月27日

2020年9月にシャン州Falam townshipに州内初の本格的な空港が誕生する予定だ。
2016-2017年度に工費予算約22億円で着工、当初2021-2022年度に完成予定だったが、 先月になって大統領とアウンサンスーチー国家顧問が2020年の開港を命じ、工期が短縮されることになった。

現在の年間工事予算は約4億円であるが、納期に間に合わせるには約8億円の追加予算が必要になる。
現在、滑走路、ターミナルその他の施設が着工されたところで、機器類、管制システム、滑走路の照明設備に追加予算が必要になる。

シャン州には九つの町があるが、安定した交通インフラがなく、州内各地の往来は難だ。
例えば、雨期には地滑りや洪水に交通を妨げられる人がおり、
一方、国内外の旅行をする人は、最も地理的に近いサガイン管区Kalayの空港まで行く
必要がある。

シャン州は現在、観光資源に恵まれながら、交通やインフラが不十分で最も発展が遅れた
最貧の州の1つだ。
新空港が完成すれば、ネピドーやヤンゴンから数時間でアクセス可能になり、
観光部門の発展が加速されるだろう。

同州内ではより小規模な空港の建設もいくつか計画されている。そのうちイギリスの援助により建設された1000mの滑走路を持つMatupi townshipの空港は、今月3月6日に開港予定だ。

(Myanmar TimesよりJMSAが要訳)


裁判所による調停手続きの試行が始まる
2019年3月4日

ミャンマー最高裁によると、民事事件、商事紛争などを扱う裁判所による調停プログラムの試行が今週金曜日からネピドーとバゴー管区の4裁判所で開始される。
JICAとミャンマー最高裁が2年間、実施に向けて共同作業してきた。

日本の裁判所には、民事に関する紛争の代表的な解決方法として、
民事訴訟と民事調停の二つがあり、一般市民から選ばれた調停委員が、裁判官とともに、紛争の解決に当たる。
当事者同士の合意によって紛争の解決を図ることを目的とするもので、裁判外紛争解決手続(ADR)の一つだ。

JICAのミャンマー事務所は、この制度がミャンマー国内全体で採用されることを期待している、と語った。


(Myanmar TimesよりJMSAが要訳)

0 件のコメント:

コメントを投稿